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法案提出が遅れている年金制度改革の関連法案について議論した、自民党の厚生労働部会・社会保障制度調査会年金委員会の合同会議=2025年4月10日、東京都千代田区の同党本部

 年金制度改革の関連法案をめぐり自民党は10日、厚生労働部会などを開いて国会提出への対応を協議した。今夏に参院選を控え、基礎年金(国民年金)の底上げ策が批判されることに警戒感も強く、議論はまとまらなかった。法案提出を目指す政府は修正も検討するが、同党内の議論は膠着(こうちゃく)状態だ。

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 基礎年金の底上げ策は、改革案の柱の一つ。少子化と長寿化を踏まえ、基礎年金と厚生年金は、それぞれ給付を減額調整中。財政状況の良い厚生年金の減額は2026年度に終わるが、基礎年金は57年度まで続く。改革案では、厚生年金の積立金の活用で、それぞれの減額調整を36年度で同時に終了。年金受給者全体の給付水準を底上げする考えだ。

 ただ、厚生年金の積立金活用には、党内にも慎重論が根強い。政府はこれまでに、底上げ策の実施判断を29年以降に先送り。さらに両年金で減額の終了を同時にするため、厚生年金の減額を、当初想定の26年度でなく、いったん30年度まで延ばすことも決めた。

 だがその後も、厚生年金の減額調整の延長に批判が相次いだ。法案提出にこぎ着けたい政府は、減額幅を減らすことも検討。基礎年金の底上げ策自体を法案から切り離す案まで浮上している状況だ。

 自民党内では、少数与党の国…

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